UPIX CO,.LTD


I'm sorry. This page is only Japanese.

【第38回】生態生薬研究会

生態生薬学における太陽病中編 PART4

あいにくの御天気となった11月の生態生薬研究会でしたが、多くの御参加を当日は頂けました。

7月から続いた太陽病中編は今回で最後です。締め括りとなる笠井先生のお話を聞き漏らさない様に、しかと耳を傾ける先生方の姿が目立っておりました!


過去の漢方大家の先生がはっきりさせずに逃げてきた問題があります。今日の話を聞いてその部分を改めて自分自身でも考えてみて下さい、と開口一番に語る笠井先生。そんな印象的な一言から、講義は始まりました。

今回の講義で笠井先生が最も伝えたかった事、それは茯苓についてでした。

「西日本や九州で茯苓はよく取れます。なぜなら松が多いからです。砂地が多く、痩せた土地に生えるのが松ですね。そして松の根っこに生えるのが茯苓です。僕の生態生薬学から捉えると砂地で生える植物なら普通、保水力がありません。更に茯苓は老木で育ちます。老木と云う事は、代謝が乏しいですよね。なのに茯苓の育っている松の枝は青々としています。何故、青々としているのか。茯苓が菌糸を幹に通らせ水分と栄養分を届けているからだと、僕は思っています。だから茯苓には、保水力があると考えられる。これを人間に使った場合、茯苓とはどういう風に考えるべきか。脈管を通して、水を末端まで運びやすくする。これを薬能として考えるべきではないでしょうか。そう考えると苓桂甘棗湯に何故8両も茯苓が入って来るのか。その意味を、一から考え直すと色々分かって来ると思うんです」

笠井先生ならではの観察眼で捉えた茯苓。とても興味深い話だった為、茯苓を失った松はその後どうなるのか。氣になる質問を笠井先生に投げ掛けた方もいらっしゃいました!


竜胆

生態生薬研究会の恒例となった植物解説。今回は竜胆の特徴・特性をお話頂きました。

「ずっと傷寒論の話ばかりだと頭が膿んじゃうと思いますので、箸休めを兼ねて竜胆のお話をさせて頂きます。竜胆を漢方の処方で使うと言ったら竜胆瀉肝湯と疎経活血湯くらいでしょうか。竜胆と言ったら何をイメージされますか。多分、苦いという事だと思います。実際に竜胆はとっても苦いです。竜胆ってどういう所に生えているか皆様知っていますか……」

この冒頭から、1500mもの高地で育つ竜胆の性格を丁寧に解説して頂きました。

三七人参と同じ位の標高でなければ育たない竜胆。三七人参と竜胆そして地黄にも話は広がり、この日も生態生薬研究会でしか聞けない情報が満載でした!

12月の第2日曜日は今年最後の生態生薬研究会を予定しております。笠井先生の講義は楽しく、初めての御参加でも無理なく聞ける内容です。

来月は心ばかりのクリスマスプレゼントをご用意いたします。皆様のご参加をお待ち申し上げます!


《関連リンク》
笹塚薬局
研究会に参加できなかった方に朗報!
今までの生態生薬研究会の模様をDVD化して販売いたしております
ご都合により参加できなかった方やもう一度講演を聞きたい方は是非ご購入下さい。
DVDの購入はこちらからお申し込み下さい。

↑Go to top