生態生薬学における太陽病下編 Part3
寒い一日となった生態生薬研究会当日。そんな中でも、たくさん方々からご参加を頂く事が出来ました!
49回めでも初参加者様のご参加もあり、この日の研究会も活気に満ちた開催となりました。
前半の講義は皮膚蒸泄についての復習です。
毛ものについて、食文化について、皮膚蒸泄の仕組みについて等の生態生薬学における基礎的な部分を先ずはお話し頂きました。
基礎的なお話の次には熱の籠もり具合における証の見分け方や、横隔膜の模型を使った証解説などをして頂きました。
「柴胡証と言ったら胸脇苦満がポイントですね。胸脇苦満が何故起こるのか。長くなるので簡単に話してしまいますが。我々のご先祖様は海から上がってきましたよね。海にいる時は、周りが水でしたから。体の熱は体表に持っていけば、泳いでいるだけで捨てる事が出来ました。だけど陸上に上がって来た為に、水に触れている事がなくなりました。その為、自発的に熱を捨てざるを得なくなりました。初めは毛ものとして毛から熱を捨てていました。そのうち我々人類は毛を脱ぎ、皮膚蒸泄(水の気化熱)で熱を捨てるようになりましたね。その仕組みを身に付けた代わりに……」
皮膚から出せない熱は体内に籠もってしまう。その熱が身体に悪さをする。
現代人が如何に水を原因として病に陥っているのか。笠井先生のお話から皮膚蒸泄の大切さを改めて知って頂けたのではないでしょうか。
後半の講義は太陽病下編についてです。第47回からの続きとなり、この日は柴胡剤の説明から始めて頂きました。
「柴胡剤の基本は小柴胡湯です。様々な傷寒論がありますが、柴胡剤だけは大と小が昔から全てにあります。因みに康治本傷寒論には、柴胡加竜骨牡蛎湯がありません。何故、柴胡加竜骨牡蛎湯が載っていないのか。その理由もこれからお話ししますね」
笠井先生の講義の続きは是非DVDで御覧下さい!
2016年の生態生薬研究会は今回で一区切りとなります。第50回研究会は2017年の2月です。次回はエッサム神田ホールから場所を移しての開催となります。
例年の様に、2月は研究会の後にイタリアンレストランに於いて懇親会も予定しております。皆様のご参加を御待ちしています!!
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