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【第42回】生態生薬研究会

生態生薬学における太陽病中編 PART8

穏やかな天気となった研究会当日。新年度となり草木の生長に心踊る季節のなか今月もたくさんの方々に御参加を頂き、生態生薬研究会は始まりました。


この日は笠井先生のこんな興味深いお話から始まりました。

「先々週、近所のスーパーで山菜を買ってきまして、毎年春になると一回は山菜で天婦羅パーティーをやるんです。私の大好きな春先の花にカタクリがあって、可哀想なのですが最近はカタクリも売ってるんですよね。一昨年かな、初めて食べた時びっくりしました。あんなに繊細な可愛い花なのに食べると美味しいんですよ!おひたしにすると微妙と言う方が多いのですが、天婦羅にするとですね。何と言えばいいのか。カタクリの味としか言いようがないのですが、凄く清涼感のある爽やかな味で、これぞ山菜の王様と云う感じの味なのです。是時機会があったら皆様も丸々、花から茎から葉っぱから球根ごと天婦羅にして食べてみて下さい」

カタクリ一つ取り上げても、生態生薬研究会ならではのお話がこの日も次々と飛び出しました。

カタクリのお話から前半パートは続きとなる柴胡剤についてです。小柴胡湯を活用するにあたり、注意すべきポイントを講義して頂きました。

「小柴胡湯とインターフェロンを一緒に使うと間質性肺炎になる。インターフェロンというのは免疫を活性化する物質ですよね。ですから免疫を活性化する事によって熱の産生量も、もの凄く増えます。皮膚の塞がっている人にインターフェロンを使って熱量を増やし、しかも小柴胡湯を飲んだらどうなりますか。全部の熱が肺に持っていかれますでしょう。この時、患者さんが水毒だったら。腫脹の影響で全部、肺に水も一緒に集まってしまう訳ですよ。沸騰した薬缶のお湯が肺に集まるようになってしまうから、熱でコラーゲンが溶けて間質性疾患になってしまう訳です」

この様なケースに対応するテクニックを、笠井先生から詳しくお話し頂きました。


後半パートでは生態生薬研究会恒例、実際の植物を用いての解説から始めて頂きました。今月は連翹をテーマにお話頂きました。

「解毒に用いる荊芥連翹湯、身近なところではダイエットに使われる防風通聖散、それからアトピーに使われる荊防敗毒散、そういったものに連翹は入っています。桜が咲くのと同時か、ちょっと早い時期に咲くのが連翹です。気温で言うと15℃位ですかね。その頃になったら、枝に一斉に咲き出します。連翹の特徴というのは細かい枝をたくさん出す事から分かる様に、末梢の枝を発散させる力が強いと思って下さい」

連翹の特徴を先ずは笠井先生に講義して頂き、連翹と一緒に配剤される事の多い薄荷に関してもこんなお話がありました。

「気をつけなければいけないのは荊芥連翹湯をアトピー患者さんに使う時です。アトピー患者さんのなかには、悪化するケースがあります。何故かと言うと薄荷が入っているからです。荊防敗毒散もそうです。皮膚に水滞の多い方には、過冷却が起きてしまいます」

更に、連翹の証は柴胡証に近いと語る笠井先生。前半の間質性疾患への注意に続き、ここでも連翹を用いる際のテクニックを余すこと無くお話頂きました。

毎年5月はセミナー会場を飛び出し、生態生薬研究会は舞台をフィールドワークへと移します!

今回もバスを貸し切っての日帰りツアーを企画中です。

生態生薬研究会はどなたでも御参加頂けます。5月8日の日曜日。自然に包まれ、生態生薬研究会を通して植物の姿を楽しみ学ぶ一日を共に過ごしましょう!!


《関連リンク》
笹塚薬局
研究会に参加できなかった方に朗報!
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ご都合により参加できなかった方やもう一度講演を聞きたい方は是非ご購入下さい。
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