複合疾患・うつ病の適応処方 Part2
生憎の雨模様となった第28回生態生薬研究会当日。足元の悪いなか、多くの先生方にご参加して頂きました。
今回は先月の『複合疾患・うつ病の適応処方』の続きをお話し頂きました。
うつ患者さんとの相談にあたり
パート2なので前回の復習から始まりました。「相談にあたり一番重要な事は、ご相談者の不調の経歴を訊く事」と話す笠井先生。うつ病に至るまでには必ず段階があり、いきなりうつ病になる事はないと断言していました。
咳や膀胱炎、不正出血などの慢性化がうつ病に陥るサイン。身体が籠もった熱を咳や不正出血として捨てる。それは身体にとって、起こるべくして起こる防御反応!
しかし熱の籠もりが慢性化すると、身体は熱の産生をセーブする様になる。その結果がうつ病の発症と語る笠井先生。
そして笠井先生のお店のうつ病患者さんを症例に挙げ、具体的な対応・対策・処方をお話頂きました。
うつ病は代謝能力が乏しい病気
笠井先生曰く「本当のうつ病患者さんは胃に熱(エネルギー)を廻せない。だから食欲が湧いてこない。食欲があるのに、うつ病と語る患者さんはうつ病じゃない!」との事。
横隔膜の風船模型を駆使し、心下部のつかえや胸脇苦満などの横隔膜周辺のトラブルをとても分かり易く説明して頂きました。
生態生薬学のルーツ
後半は先ず半夏についてお話し頂きました。植物の生育環境や特徴から薬効を考える生態生薬学。そのキッカケとなった植物が半夏と話す笠井先生。心下部の説明を深く掘り下げて熱く語る笠井先生が印象的でした。
半夏の話の後は証の見極め方のポイントをお話し頂きました。笠井先生に解説して欲しい!!と依頼のあった症例を一つ取り上げました。心下部や舌の状態、胸脇苦満の有無などなど相談者さんに訊いて欲しいキーワードの数々に、多くの先生方が頷いておりました。
研究会の最後は質問時間を多く取って頂きました。なかなか質問時間が十分取れない普段の生態生薬研究会。三名の先生方が、じっくり時間を掛け、笠井先生のアドバイスを受けておりました。
来月は生態生薬研究会の総集編を予定しております。クリスマスプレゼントも用意しておりますので皆様是非ご参加下さい!
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