消化器に現れる症状と適応処方 Part3
11月初旬、晩秋と呼ばれるこの時期もつい先日までの残暑のせいで銀杏の葉もまだ色付いていません。しかし、秋を感じる前に冬を迎えそうな朝の冷え込みが深まる中で、第19回生態生薬研究会が開催されました。
第17回から続いた消化器に代謝熱が停滞することによって起こる症状と適応処方の最終回となりました。
第17回は上部消化器から胃にかけて代謝熱の停滞がある場合に起こる心下痞硬(太陽病)についての解説でした。
第18回は食道に代謝熱が停滞する場合に起こる痰飲。主に半夏証の解説でした。(詳しくは前回、前々回のレポートやDVDをご覧ください。)
消化器系の最終回となる第19回は胃や腸に代謝熱が停滞した場合の解説となりました。
前半は胃に過剰な代謝熱が停滞した場合に起こる症状(陽明病)の解説です。
主に承気湯類が処方されるのですが、なぜ生薬の使われ方に微妙な違いがあるのか生態生薬学見地から細かく説明してくれました。
後半は胃が冷えて乏しい代謝熱が停滞する場合の症状と処方についての解説から始まりました。処方中で使われている生姜の話はとても興味深いものでした。
そして最後は腸間に脂肪が多く腸に代謝熱が停滞した場合に起こる症状(太陰病)についての解説でした。
主に建中湯類が処方されますが、腸間の脂肪をどのように考えればいいのかがわかれば処方の意味がわかってきます。
この処方は次回から解説する婦人科疾患にも関連してくる話ということでした。
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