生態生薬学における少陰病編 Part1
前日には東京でも春一番を観測し、一気に昼間の気温が上がりましたが、3月10日も同様に暖かい春を感じる中で第68回生態生薬研究会が開催されました。
今回より少陰病編に入りますが、少陰病の定義を前半で解説いただきました。少陰病とは、皮膚表面に通常の半分の陽気しか巡っていない状態です。つまり体内で代謝される際に発生する代謝熱を、皮膚表面で気化させる皮膚蒸泄の能力が半分しか発揮できないために引き起こされる病気です。
皮膚表面が冷え水分が滞りますが、体内では熱の産生は止まりませんので、熱の排出を尿として代謝することになると、頻尿や過活動膀胱という症状が出てきます。実は、腎臓は水分代謝などだけではなく、重要な熱回収の機能も司っていますので、この機能をないがしろに判断すると、正しい処方を導き出せません。
若い女性に多いバセドー病ですが、お医者さんは直ぐに甲状腺ホルモンを抑えようとします。しかし、皮膚のきめが細かく密閉性が高い20歳前後の女性は皮膚蒸泄の観点から改善を促せば、ホルモン剤に頼らなくてもしばらくすれば改善していくことが多いです。
後半は、少陰病に対する漢方処方の解説に入りますが、同時に今の時期に多くの方が発症する花粉症の根本原因をコラーゲンの重要性も改めて解説いただきました。現代の日本人は、水分の過剰摂取にはじまり、代謝能力の低下で様々な生活習慣病を引き起こしていますが、コラーゲンと代謝熱の代謝機能低下と、ガンやアレルギ―反応の関係性も明らかにされ、解りやすく解説いただきました。詳細につきましては是非DVDを御覧ください。また次回は少陰病Part2として、処方と病理を解説していただく予定になっておりますのでご期待下さい!
生態生薬研究会は初めてのご参加でも楽しく聴講頂ける内容になっております。ご興味が御座いましたら是非一度、生態生薬研究会へお越し下さい!
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