株式会社ユピックス


【第45回】生態生薬研究会

生態生薬学における太陽病中編 PART10

曇りや雨が多かった連日の空模様から一転し、夏空の快晴を迎え始まった生態生薬研究会。

今回が初参加となる先生方、更に広島からのご参加も頂けました。たくさんの先生方に足を運んで頂き、今月もエネルギーに満ち溢れた研究会の開催です!


お待たせ致しました!

待望だった笠井先生の本『体内の過剰な水分が恐ろしい病気を招いている』が7月8日に発売となりました。これを記念して、研究会にご参加頂いた皆様には先生のサイン入り本を進呈致しました。

多くの初参加を頂けた為、先ずは生態生薬学の基礎的な部分をお話し頂きました。

「トリカブトを見ようと思ったら関東地方だと、どういう所に行こうと思いますか。関東地方の山ですとトリカブトは絶対、北側の斜面にしかありません。南側の斜面だと陽が当たり、夏だと地面の温度が高い為に腐ってしまいます。だから北側の斜面、夏でも地面の温度が低い場所でしか育ちません。そこから、本当に冷えている人でなければ使えないと分かりますよね。そのように一つ一つを観察していくと色々な事が分かってくるのです。それと本草書に書いてある薬能を擦り合わせて、段々と自分の中で生薬への考えが出来上がっていきました」

植物が育つ環境から考える生薬特性、体内の熱の偏在が原因で起こる様々な病態、皮膚蒸泄(皮膚代謝・皮膚呼吸)の重要性など。生態生薬学の観点だから見える、薬や病気の捉え方を熱く語って頂きました。

そして、せっかくなので笠井先生には本の内容についても少しお話を頂きました!

「皮膚蒸泄を常にしている人は、体の熱がオーバーヒートしないから良いですが。皮膚蒸泄の悪い人は、体に熱がこもってしまいます。こもった熱で自分の身体を痛めてしまうのです。本にも書いておきましたが、昔の中国人は病気をどう考えたのか。病という字がありますよね。病という字は、十干十二支の丙(火の兄)にヤマイダレが付いています。ヤマイダレがどういう事を表しているのか。傷寒論を読んで、僕は常に思っていたのですが……」

この続きはDVD若しくは先生の書籍『体内の過剰な水分が恐ろしい病気を招いている』でご確認下さい!!


後半は太陽病中編についてのお話です。中編もPART10を迎え、今回で柴胡証のまとめへと入りました。柴胡証の説明のなか柑橘類の生薬に関して、こんな面白い話が飛び出しました。

「小田原とかに冬行くと、みかん狩りをやっていますでしょ。寒い朝、みかんを見ると表面が薄く凍っています。冬場でそれだけ寒くても、絶対に腐らない。だから、みかん表面の陳皮は温める力が強いわけです」

柑橘類の話だけでも、きりがなくなってしまうと語る笠井先生。

そして、この日は枳穀、枳実、橙皮、陳皮をどういう状態に於いて使い分けていくのか。そんな宿題が笠井先生から出されました。

生態生薬研究会は1月と8月以外の毎月、第2の日曜日で開催しております。初めてのご参加でも無理なく聞ける内容となっております。少しでもご興味を持って頂けたのなら是非ご参加下さい!


《関連リンク》
笹塚薬局

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