生態生薬学における太陽病中編 PART5
小雨が降る12月の生態生薬研究会当日。雨空でも初参加となる先生方を御迎えし、この日の研究会も元氣に開催されました。
太陽病中編は先月で一段落の予定でしたが。話きれていない部分がまだあると云う事で、11月の続きとなるPART5です。
南天
前半は実物の植物を用いた講義です。某有名のど飴の原料、南天について御話頂きました。
「売っている南天は赤い実だと思います。でも薬用で使うのは白だと言われています。ただ調べてみる限りは、南天の赤と白で成分が化学的に違うかと言うと。そんなに違わないんです」
と開始早々から面白い話が飛び出しました。
「赤い実が咳止めに使えないというより、白い実が珍重され原料に使われている。これは、何が影響してるのか。僕は絶対、陰陽五行から来ていると思うんです。西の方角を示すのが肺ですよね。そして陰陽五行で肺は白にあたります。なので肺の咳止めでも白い南天を使うという発想があったんだと思います」
ここから先は根の代謝や茎の節目から花火の様に広がる葉の特徴など、生態生薬学的に南天を解釈し、その活用法を講義して頂ました。
後半はこの日のテーマでもある梔子豉湯シリーズについて御話頂きました。休憩時間には原料である豆豉と、大徳寺納豆を参加者皆様に御味見して頂きました。初めて食べたと云う御声も多く、強烈な塩辛さに皆さん驚かれておりました。
「今、味見して頂いた豆豉と云うのは大豆です。タンパク質の育ち難いアンデスやチベット等、標高の高いところでも大豆は育つんです。私の生態生薬学の考え方だと、末端にタンパク質を供給してくれるのが大豆の本分と言えます」
この日、初めての情報が色々と飛び出し、先生方にとって実りある研究会となったのではないでしょうか。
来年の生態生薬研究会は2月から始まります。新年会も兼ねまして、毎年好評を頂いているイタリアンレストランにて開催予定です。人数の制限が御座います。皆様の御参加をお待ちしております。
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